読書
方法論としてはいわゆる「アジャイル」に属するもので、今では(実際に導入している企業の多さはさておき)それ自体は特に目新しいものではありませんが、その目的をただ「成果を出す」、「生産性を上げる」で止めずに「顧客や従業員の幸せのため」と位置づ…
柔軟な多国間関係による自律的なパワーバランス調整と、他国の権力の正当性との折り合いの付け方(例えばイスラム教的な教義では最終的にはイスラムによる世界統一が目標になるため他国の存在そのものが正当ではないとされるが、そのような考え方と現実的に…
政府や企業が「(ビッグ)データによって客観的な事実が得られた」と言うとき、それを鵜呑みにしてはならない。同様の理由で「何とかランキング」にも注意すべきである。 データの収集、解釈、提示、どのステップにも誰かの意図が混入する。ここでの「客観的…
なんと言えばいいのか…。 正直なところ、面白くはなかったです。つまらなかったかというとそれも何か違う感想な気はするのですが、シンプルにストーリーを楽しめたということはなく、独特の雰囲気を感じることができた、という印象です。 村上春樹を読んで「…
生物のみならず、科学・道徳・経済・宗教など人が生み出したありとあらゆるものが、「進化」という変化と淘汰を繰り返す試行錯誤のプロセスを経て今に至る。このボトムアップ的な力を認め、受け入れるべきである。 歴史が一人の偉人の力によって動かされ、世…
ありもしなかったことの記憶が創作され確信される仕組み、被験者に偽の記憶を植え付ける方法などを提示しながら、記憶を事実として信用すべきでない理由を明らかにしている。 その根底にあるのは「記憶は(記憶されたその瞬間から)完全ではない」という単純…
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織作者: マシュー・サイド,有枝春出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2016/12/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 失敗から学ぶ組織(業界)の主要な例…
タイトルに強く同意したので、何冊目かはわからない「この手の本」を読了。 内容自体は類似のこの手の本とさほど変わりはなく、1時間強で読めてしまって 1500円 なのであまりコスパは高くない(コスパを「内容の量/金額」で計算するならば)が、さすがに文章…
身体を持つキャラクターが自身を動かし世界とインタラクションするための AI、チーム・群衆をコントロールする AI など、画像認識や音声認識といった狭い範囲での AI の例に留まらず、ゲーム内世界の実現や人間的なロボットに必要な幅広い範囲のトピックを扱…
人の生活をより良くすることを意識して製品・サービスを作成するために必要な知識をまとめた本。 カバーしている範囲が多岐に渡るので、取っ掛かり、リファレンスとしては役に立つかもしれない。情報が整理されて並べている反面、作者の主張や熱意を感じるタ…
「ホラー作品はなぜ娯楽として成立しているのか」など恐怖を主題とはしているが、それはあくまで具体例。 そもそも「感じ」や「情動」とは何で、どういう役割を果たしているのか、というもっと広い疑問を、生物学、脳科学を採り上げて解説していたため、ホラ…
密室十二宮編。まさか 3, 4巻でも終わらず 5巻に続くとは。 3巻 トリックの机上の空論っぽさがダントツ。いや、本当に上手くいくのかもしれないけれど、手間とリスクが大きすぎるというか、もっとシンプルでいいよねっていう。まぁキャラ物小説だからその辺…
Google発のマインドフルネス解説書として有名な『サーチ・インサイド・ユアセルフ』の参考文献の筆頭に挙げられている本。 Emotional Intelligence: 10th Anniversary Edition; Why It Can Matter More Than IQ作者: Daniel Goleman出版社/メーカー: Bantam…
時間や金銭に余裕がないという状況は、それ自体が認知能力を低下させて状況をより悪化させかねないということを様々な実験を通して明らかにし、余裕(=スラック)を持つことの大切さを解く本。 いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ・…
微生物に関してはほとんど何も知らず、せいぜい細菌のイメージが先行してなんとなく良い印象は持っていないという程度だったのですが、本書で微生物の多様性と有用性を窺うことができました。まさに「知らなかったことを知る」ことができて大変満足です。 本…
青春ミステリという紹介をみましたが、青春という言葉から連想するような爽やかさからは遠く、ミステリ要素もあくまで(良い)味付けで、全体としては「戦争もの」。 戦争の描写はしっかりと厳しく、コックとして戦争に参加した主人公もいつの間にか戦闘に慣…
触覚に関する身近な様々な疑問に対して、今までに解明されている脳や神経といった解剖学的な仕組みから科学的に説明していて、読みやすく面白かったです。 触れることの科学: なぜ感じるのか どう感じるのか作者: デイヴィッド・J.リンデン,David J. Linden,…
被験者の自己申告による「気付き」に焦点を当てて科学を遂行するという試みが、単純でありながらなるほどと思えて面白かったです。 無意識と意識の違いに焦点を当て、錯視や認識できるかできないかの境目となるような情報の提示方法を利用し、同じ刺激に対し…
遺伝子が後世に伝わり進化や変異が生まれる様子を、遺伝子の集まり(ゲノム)を社会、個々の(対立)遺伝子をその構成員とみなして解説した本。 読み物としてはちょっと堅い感じで、説明される個々の例には専門的な用語も多いですが、遺伝子の集まりを社会と…
とても素晴らしいビジネスドキュメンタリー本でした。副次的な作用として、間食の予防、ダイエットにも役立ちそうです。 煽動的なタイトルとは裏腹に*1、常識的な消費者の視点で加工食品業者が行っている商品戦略、マーケティング戦略の裏側、負の影響を徹底…
瞑想関係の記事を見るたびに「信頼の置けそうな研究結果も出てるみたいだしやってみようかな、でも何だか胡散臭いしなー。」と思い続けて1年以上が経過していたものの、最近精神的に辛く感じる機会も少なくないし今年は少し実践してみるか、ということで Goo…
2006年に携帯電話を操作しながらの「ながら運転」が原因で起きた交通事故を、関係者のバックグラウンドを詳細に調べてドキュメンタリー風の物語として進めながら、テクノロジーが浮き彫りにする注意力の限界やそれがもたらす社会への影響についてまとめ上げ…
言語が思考に与える影響について、数々の説が主張され、そして否定される歴史を辿りながら、最近の研究成果を挙げて現在の知見をまとめている、科学系の読み物としてとても面白い本でした。 「年間ベストブックを多数受賞」だそうですが、納得です。 言語が…
とても良い短編集でした。 全体的に感傷的な文章なのですが、短編集にありがちな「ちょっといい話」ともまた違う、不思議な感じな物語が多かったです。 特にお気に入りの作品は「紙の動物園」、「もののあはれ」、「良い狩りを」。それ以外の作品もハズレは…
『星を継ぐもの』、『ガニメデの優しい巨人』の続編である『巨人たちの星』を読みました。 巨人たちの星 (創元SF文庫)作者: ジェイムズ・P・ホーガン出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2014/12/12メディア: Kindle版この商品を含むブログ (4件) を見る …
お気に入りの SF小説の1つの『星を継ぐもの』の続編、『ガニメデの優しい巨人』を読みました。 ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)作者: ジェイムズ・P・ホーガン出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2014/12/12メディア: Kindle版この商品を含むブログ (…
多くのサイトで 2016年のベスト本の1つとして紹介されていた『When Breath Becomes Air』を読了しました。 When Breath Becomes Air作者: Paul Kalanithi出版社/メーカー: Random House発売日: 2016/01/12メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 脳神…
わたしは言葉を憎み、言葉を愛してきた。 その言葉を正しく使えていればいいのだけれど。 第二次世界大戦下のドイツにおいて、ヒトラー総統が言葉によってもたらしたユダヤ人迫害や戦争に翻弄されながら、言葉によって救われた女の子の物語。 戦争中の街が舞…
少し暗い道をゆったり歩くような独特の雰囲気の小説で、大きな事件やどんでん返しという仕掛けがないにも関わらず最後まで退屈することはありませんでした。 主人公が過去の思い出を語る形で話が進んでいきますが、ところどころ「どういう意味だろう?」と引…
満足度:★★★☆☆ シンギュラリティ:人工知能から超知能へ作者: マレー・シャナハン,ドミニク・チェン,ヨーズン・チェン,パトリック・チェン出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2016/01/29メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (5件) …