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本やゲームの感想など

再読候補

母の愛とアパルトヘイト:『Born A Crime: Stories from a South African Childhood』

南アフリカ出身のコメディアン、 Trevor Noah という方の回顧録。 この方を知っていた訳ではないのですが、ビル・ゲイツ氏の今年の夏のオススメ本の一冊に紹介されていて興味を持ったので読んでみました(gatesnote | 5 Good Summer Reads)。 知らない人の…

意味ってなんだ:『哲学入門』

「意味」や「機能」、「目的」とは何だろう?「石ころ」みたいに物理的に存在するものとは何か違うよね?といった感じの「ありそうでなさそうでやっぱりあるもの」について唯物論(物理主義)的なスタンスでそれらの存在と起源を説明することを目指した本。 …

WORLD ORDER:『国際秩序』

柔軟な多国間関係による自律的なパワーバランス調整と、他国の権力の正当性との折り合いの付け方(例えばイスラム教的な教義では最終的にはイスラムによる世界統一が目標になるため他国の存在そのものが正当ではないとされるが、そのような考え方と現実的に…

秩序はデザインによってではなく進化によって生まれる:『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』

生物のみならず、科学・道徳・経済・宗教など人が生み出したありとあらゆるものが、「進化」という変化と淘汰を繰り返す試行錯誤のプロセスを経て今に至る。このボトムアップ的な力を認め、受け入れるべきである。 歴史が一人の偉人の力によって動かされ、世…

「怖い感じ」とは何か:『恐怖の哲学―ホラーで人間を読む』

「ホラー作品はなぜ娯楽として成立しているのか」など恐怖を主題とはしているが、それはあくまで具体例。 そもそも「感じ」や「情動」とは何で、どういう役割を果たしているのか、というもっと広い疑問を、生物学、脳科学を採り上げて解説していたため、ホラ…

砂糖・塩・脂肪:『フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠』

とても素晴らしいビジネスドキュメンタリー本でした。副次的な作用として、間食の予防、ダイエットにも役立ちそうです。 煽動的なタイトルとは裏腹に*1、常識的な消費者の視点で加工食品業者が行っている商品戦略、マーケティング戦略の裏側、負の影響を徹底…

言葉と思考:『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』

言語が思考に与える影響について、数々の説が主張され、そして否定される歴史を辿りながら、最近の研究成果を挙げて現在の知見をまとめている、科学系の読み物としてとても面白い本でした。 「年間ベストブックを多数受賞」だそうですが、納得です。 言語が…

読書メモ:『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』

事実ベースの文章をスムーズに書けるようになるための優れた教本だと思いました。 「良い文章とは完読される文章である」と最初に定義してあることで、はっきりとした目的意識と納得感を持って説明を読み進めることができます。 書く前の準備や推敲、ブラッ…

読書メモ:『誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論』

3行まとめ 「ヒューマンエラー」といって人を責めて終わらせてしまっては問題の解消に繋がらない。そのエラーが起きた真の原因を「なぜ」を繰り返して徹底的に追求する 良いデザインは、直感的な概念モデルを提供し、アフォーダンス、シグニファイア、制約、…

読書メモ:『IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる』

3行まとめ(ドキュメンタリー本にまとめも何もないですが) ワトソンは自然言語を理解する質問応答システムであり、アメリカの人気クイズ番組「ジョパディ!」で人間のチャンピオンに勝つという目標のもと IBM によって研究開発された(結果は完勝) ブラン…

書評:『融けるデザイン ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論』

3行まとめ IoT の発展などにより、ネットの情報は「人が作り、それを他の誰かが見て、理解し、適用するもの」から「ネットにつながったデバイスが直接生成・利用するもの」に変化する ヒューマンインターフェースの目標は、人が操作対象との間に一体感を感じ…