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本やゲームの感想など

2016-01-01から1年間の記事一覧

ゲーム感想:『Her Story』

過去の事件のインタビュー映像のデータベースを、適切なワードを考えて検索、閲覧していくことで謎を解き明かすゲーム、『Her Story』をプレイしました。 store.steampowered.com 検索結果に対して閲覧できる映像は最大で5つまでで、一般的すぎる言葉(I や …

ゲーム感想:『MOMODORA -月下のレクイエム-』

ノーマル1周目のクリア時間は攻略サイトなしで6時間程、快適に楽しめました。 良かったところ 全体的な操作性 良作2Dアクションゲームと評価されているだけあって操作系は全体的に快適でした。 ジャンプ中を含めて移動時の変な慣性がなく、緊急回避アクショ…

ゲーム感想:『Undertale』

※ ネタバレ注意 ネット上で一種のカルト的な人気があるゲーム。気になっていたのでプレイしました。 Steam 上で「圧倒的に好評」なのは「こういうゲームが好きな人がプレイしている」ということに起因する部分も多いとは思いますが、それでも「こういうゲー…

ニューダンガンロンパV3 体験版をプレイして:期待と生存予想・クロ予想

いつの間にか発売日まで後20日を切っています。 体験版自体は「え、これで終わり?」という感じで少し消化不良気味ですが、本編には大いに期待してます。 本編クリアした後に「プレイする前はこんなことを思っていたんだなー」ということを懐かしむために、…

ゲーム感想:『ざくざくアクターズ』 - 傑作群像RPG

終わってみてのまず一番の感想は「これぞフリーゲーム」。「フリーゲームとは思えないクオリティの高さ」という方向性ではなく(クオリティが低いわけではもちろんないです)「フリーゲームならではの熱量の大きさ」が凄まじく、よく作り込まれていて、作者…

小説感想:『本泥棒』

わたしは言葉を憎み、言葉を愛してきた。 その言葉を正しく使えていればいいのだけれど。 第二次世界大戦下のドイツにおいて、ヒトラー総統が言葉によってもたらしたユダヤ人迫害や戦争に翻弄されながら、言葉によって救われた女の子の物語。 戦争中の街が舞…

小説感想:『Never Let Me Go』

少し暗い道をゆったり歩くような独特の雰囲気の小説で、大きな事件やどんでん返しという仕掛けがないにも関わらず最後まで退屈することはありませんでした。 主人公が過去の思い出を語る形で話が進んでいきますが、ところどころ「どういう意味だろう?」と引…

人工知能の人権 > 人間の人権?:『シンギュラリティ:人工知能から超知能へ』

満足度:★★★☆☆ シンギュラリティ:人工知能から超知能へ作者: マレー・シャナハン,ドミニク・チェン,ヨーズン・チェン,パトリック・チェン出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2016/01/29メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (5件) …

脳の理解への道のりは遠い:『コネクトーム:脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか』

満足度:★★★☆☆ 『脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか』というタイトルから「いま現在わかっている、コネクトーム(脳の配線)と脳の高次機能(記憶、学習など)の関係について解説する」という内容を期待していたのですが、実際に読んでみると…

道徳が嫌いな方に:『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』

満足度:★★★★★ 私は小学校のころは道徳の授業が嫌いでした。 …ということは特にない(*1)のですが、「道徳」と聞くとちょっと身構えてしまいますね。胡散臭いというか、宗教感があるというか、思想統制のにおいがするというか。 社会はなぜ左と右にわかれる…

ゲーム感想:『星のカービィ ロボボプラネット』

シール集め以外一通りクリアした*1ので感想を。 星のカービィ ロボボプラネット出版社/メーカー: 任天堂発売日: 2016/04/28メディア: Video Gameこの商品を含むブログ (1件) を見る 全体的に 『星のカービィ Wii』、『星のカービィ トリプルデラックス』の流…

2ドルで親の魂売りませんか?:直感と合理性について

「私 (あなたの名前) は、死んだら、スコット・マーフィー(*1)に魂を2ドルで売り渡すことを約束します」 こんな用紙を渡されて、サインしたら本当に2ドル貰える場合、あなたはサインしますか? これは『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるた…

ゲーム感想:『ライフ イズ ストレンジ』

ストーリー良し、雰囲気良しの良作品でした。手軽にプレイできることもあって、オススメ。 ライフ イズ ストレンジ出版社/メーカー: スクウェア・エニックス発売日: 2016/03/03メディア: Video Gameこの商品を含むブログ (2件) を見る !!ネタバレ注意!! …

悪魔を生み出す簡単な方法とは:『ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき』

満足度:★★★★★ かの有名なスタンフォード監獄実験の詳細について、準備から実施、そして振り返りまでまとまった形で読めただけでも価値のある本でした。 ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき作者: フィリップ・ジンバルドー,Philip Zimbard…

モノとして認識される人:『Dehumanizing the Lowest of the Low』

直訳すると『下の下の非人間化』、意訳すると『最低な人は人であらず』といったところでしょうか。 何かの本(たしか『〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義』)で紹介されていて、気になっていた論文を読んでみた内容のメモです。 興味を持った…

この世に悪があるとすれば、それは無知だ:『無限の始まり』

人間が持つ、知識を創り出す「創造力」の可能性を限りなく前向きに捉えた著者の情熱を感じる超大作(600ページ以上)でした。 無限の始まり:ひとはなぜ限りない可能性をもつのか作者: デイヴィッド・ドイッチュ,熊谷玲美,田沢恭子,松井信彦出版社/メーカー: …

お前の信じるお前を疑え:『Predictably Irrational: The Hidden Forces that Shape Our Decisions』

『予想どおりに不合理』の原著です。以前に訳書を読んだことはあったものの、Amazon のおすすめリストに現れたのをきっかけに、記憶のリフレッシュのために原書を読んでみました。Kindle 版で 550円(購入時)という安さも魅力的。 Predictably Irrational: …

歴史などたわごとだ:『すばらしい新世界』

幸福と安定のために自由と科学、芸術、歴史、宗教、その他諸々を犠牲にして徹底的な階級社会を作った文明を描いたディストピア小説。これが1932年に書かれた作品とは。。。噂に違わぬ名著でした。 日本語訳も不自然に感じる部分がなく、とても読みやすかった…

AI との対決を通して人間らしさを考える:『機械より人間らしく慣れるか?』

チューリングテストの大会*1にサクラ役として参加することになった著者が、「人間らしさとは」という問に対して考えたこと・調べたことをまとめた本です。 チューリングテストに関係あることないこと含めて多様なトピックに話が飛ぶので「チューリングテスト…

能力は育てるもの:『Mindset: How You Can Fulfil Your Potential』

「人の能力は生まれつき決まっているもの」と考える Fixed-Mindset と、「人の能力は経験、訓練を通して伸ばせるもの」と考える Growth-Mindset の2つの Mindset の対比がこの本のテーマです。 各々の考え方を持つ人が様々な困難な状況にどのように対応する…

人は弱いもの:『The Road to Character』

ビル・ゲイツ氏の2015年のおすすめの本 の一冊。 昨今の行き過ぎた「あなたは特別です、自分を信じて自分のやりたいことをやろう!」という風潮に警鐘をならし、謙虚さ自制心、周りへの敬意の重要さを説く本です。 ちょうど年始で、「自分」に関する目標を「…