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小説感想:『ガニメデの優しい巨人』

お気に入りの SF小説の1つの『星を継ぐもの』の続編、『ガニメデの優しい巨人』を読みました。

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

前作に引き続き、生物の進化の謎を追うという背景がありますが、今回はガニメアン(知性を持った地球外生命体・2500万年前の文明にいた巨人)との接触が一大イベントになっています。

ガニメアンの進化の歴史と、そこからくる人間との気質の違い・対比など、興味深い説が展開されていて、まさに SF という感じでとても面白かったです。ガニメアン製の人工知能ゾラックに、人間について学ぶ過程で「戦争なんて意味が無いことをするなんて、人間には何か欠陥があるのですね?」と遠慮なく(悪意もなく)突っ込ませるあたりの書き方も好きです。

地球側のメインの登場人物は基本的に前作からの続投ですが、科学者(達)を中心に据えている、というのはやはり展開に無茶がなく安心感がありました。ヴィクター・ハントとクリスチャン・ダンチェッカーの、意見がぶつかることが多いながらもお互いを認めているという関係性が良いですね。

次は『巨人たちの星』に進みます。