小説感想:『13・67』
- 作者: 陳浩基
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/09/30
- メディア: Kindle版
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人から話を聞いただけで事件を解決に導くという安楽椅子探偵系の推理小説、短編集。
もっとも、その安楽椅子探偵役はエリート刑事で、安楽椅子探偵っぷりの描かれ方も特殊(完全に人から話を聞くだけというのは最初の1編のみで、ここの設定も風変わり)なので、普通に短編本格推理小説として手に取ればいいと思う。
舞台が香港なので人名・地名に馴染みがなくて覚えにくい、という難点はあったものの、話は上手く纏められていて面白かった。
直接の謎解きには影響はないにせよ、事件の背景には過去の香港の情勢、社会問題のようなものを含んでいたので、香港の歴史に詳しければもっと楽しめたのかなと思う。