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小説感想:『幻の女』

幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

旧訳版は読んだことがないので比較はできませんが、この本の訳文はスッキリとした文章で、原作が古典ということを感じさせずとても読みやすかったです。

後で知ったのですが、訳者は「すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)」など多くの作品を手がけている方でした。「すばらしい新世界」も確かに読みやすかった、という記憶があります。

「幻の女」の真相自体は、古典作品ということを差し引いても少し無理があると思うのですが、構成やテンポの良さのおかげか、真相によって作品そのものを残念思うことはさほどありませんでした。

全体としては十分今でも通用する良作だと思います。