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小説感想:『殺戮にいたる病』

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

物語の軸となる犯人が本格的に性的倒錯者で、被害者の描写などちょっと気持ち悪くなる部分がある、20年ほど前の作品なので社会・技術的な現代との差から多少の違和感(警察の捜査力が低すぎないか、など)を感じてしまう*1、などちょっとしたマイナスポイントはありましたが、最終的に謎が明かされる瞬間にはその辺りを我慢して最後まで読み進めて良かった、と思うだけの驚きがありました。

我慢と言っても、文章は読みやすく、全体としてもコンパクトな作品なので、少しグロテスクな描写でも大丈夫、であれば十分楽しめる本だと思います。

*1:1990年代後半~2000年代は、その間からその後に技術が飛躍的に進化しているため、どうしても「現代的のように見えて現代ではない、どこかリアリティに欠けている」ように思えてしまいます。インターネット、携帯電話以前の世界が上手く想像できないから、かもしれません。