ゲーム感想:『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』
1/16 : ところどころ加筆修正。
※ ネタバレ超注意!本編に関する重大なネタバレを含みます。クリア前の方は読まないことを強くお勧めします。
とりあえず本編クリアしたので殴り書きです。 いろいろ伏線の見落としや考察の不足があると思いますが、ご容赦下さい。
ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期 - PS Vita
- 出版社/メーカー: スパイク・チュンソフト
- 発売日: 2017/01/12
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ストーリー・結末
1章~5章までは「今まで通りのダンガンロンパ」として、各事件と世界の謎を追いながら楽しむことができました。
しかし、メタネタを多用し、自シリーズを絶賛し、デスゲームを楽しむユーザーを皮肉るなどなど、ここまで「絶対に万人受けはしない」な結末を突っ込んでくるとは。。。とにかく驚きました。「次作なんて考えてない感」が凄いです。
この結末が好きか、納得できたかというと、正直微妙なところではあります。「そうくるかー」という驚きはあり、面白かったものの、やっぱり単純に「絶望を乗り越えて希望が勝つ」ストーリーが好きですからね。今回は何が真実で何が嘘なのかはわからないまま、解を提示するのではなく問題を提起するという終わりなのでモヤっとする感じは否めません。
結末の解釈としては、個人的にはエピローグで語られた通り「コロシアイのオーディションに自主参加」というのは信じ難いですし、人格を任意に操作できるテクノロジーレベルがあればリアルコロシアイなんて娯楽は不要(その技術で皆を聖人君子にでもしておけば良い)に思えるので、「オーディションビデオは偽造(人格操作はなかった・思い出しライトでも根本の人格は変えられない)」を推したいです。
ただ、それにしてもライト1本で(偽の)記憶の植え付けが可能なことは人類滅亡・ゴフェル計画が嘘だったこと(コロシアイ視聴者が存在する)から否定出来ないわけで、記憶の植え付けができてしまう以上、本編で語られた内容から考察を重ねても何だか徒労に終わりそうだな、という気がしてこれ以上考える事が億劫になってしまっています。
そもそも「ゲーム作品として始まったシリーズがリアルコロシアイに発展し、その中継を娯楽として楽しむ人々がいる」という設定自体に無理を感じざるを得ないので、根本的に考え直す必要がある気はするのですが…多分しばらく後に考察サイトを巡ることになるでしょう。。。考察がほぼ必須な結末にも関わらず、考察するほど納得のいく答えが出なさそうなのが辛いです。非常に高い技術力がある、という事以外この世界のテクノロジーレベルが不明なので、どんな結末でも否定案が容易に考えられてしまうんですよね。「信じたいものを信じろ!」というテーマに合っているといえば合っているのですが、スッキリはしません。
これでダンガンロンパシリーズは終わってしまうのかどうか。別の方向性でワックワクのドッキドキな作品が生まれるのであれば、それはそれで大歓迎なので、続編なのか新作なのかに問わず、これからも期待しています。
※ 否定的な文章の文量が多くなってしまっているので、改めて書いておきますが、結末には驚きはあり、その過程の謎解きも面白かったので、購入しプレイしたことは全く後悔していません。爽快感・納得感に多少欠けるというだけで。
キャラクター
赤松楓
まさか一章で死んでしまうとは。。。普通に好印象の良い子だっただけに残念でした。
天海蘭太郎
やっぱり一章で死んでしまうとは。。。豚神さんほどの活躍もなく早期退場してしまい、最終章での伏線回収でも本人はあまり出てこなかったので、これといった印象はあまり無いです。
入間美兎
下ネタだけならともかく、理不尽に高圧的なキャラクターというのはヘイトが溜まるので、ストレス要因でしたね。。。クロに回ろうとしていて返り討ち、という最期なので死んだことにもあまり同情できず、良いところはなかったなぁという印象です。捜査や対エグイサルに役立つ発明品を作ってくれたことが唯一の救い。
追記:もう1つ救いがありました。唐突に「話が…したいです…。」とスラムダンクのパロディが入ったのには笑いました。
王馬小吉
1章終わった時点で「うざいとかそういうレベルじゃなくやばい人だ」とは思いましたが、あそこまで(良い意味で)出張るとは思っていませんでした。
動機ビデオで明かされた、彼が率いる組織の「人を傷つけない」、「笑える犯罪」というポリシーを見る限りでは人を無暗に傷つけることはよしとしなさそうなのですが、それまでの行動からはそんな感じは微塵もなく、結局どういうスタンスだったのかは謎のままに。それも含めてとても面白みのあるキャラだったと思います。
「嫌だよ、バーカ!」のような、大物・狂人っぽい感じが全くしない台詞回しも良かったです。
キーボ
常識人(ロボ)枠として好感の持てるキャラクターでした。しかし、モノクマというより小型なロボットが存在し、性能面での優位性もよくわからない以上、「何が超高校級なんだ」感は相変わらず。記憶操作が鍵となっている中にロボットとして存在しているという点で、V3 の世界を考察する上でいろいろなポイントになる気はします(テクノロジーレベルの推測や、思い出しライトの機能面で。まぁ真面目に考えても仕方ない気はするのですが)。
獄原ゴン太
裏表なく最期まで純粋な人でした。。。しかし4章で王馬の計画に乗って全滅を狙う辺り、メンタルが意外に弱いのか何なのか(接続エラーが性格にも影響を与えていた可能性は指摘されていますが)。「昆虫でなごもう会」は絶対に遠慮したいです。
最原終一
今作は彼の成長物語でしたね。1, 2 ともに主人公は結構メンタル超人だったので、このシリーズの主人公としては新鮮でした。良かったと思います。
白銀つむぎ
最後まで「ザ・普通」のようなキャラクターで、これといって何事もなかったけど生き残るんだなぁ、と思っていたらまさかの黒幕。6章突入時によく考えていれば確かに消去法で彼女しかいなかったのですが、トイレのくだりまで全く予想していませんでした。コスプレでシリーズキャラクターを出してくる演出はファンとして嬉しかったです。
真宮寺是清
変態だー。
茶柱転子
男子差別以外は良い子でした。男子差別も思っていたほどではなく、普通に最原を気遣う場面もあり、ムードメーカー的存在でもあったので、おおよそ無駄な退場は悲しかったです。澪田唯吹に近いものを感じました。
東条斬美
皆のお母さん。精神的に最初から完成されていそうなキャラクターだったので生き残る可能性は低いと思っていましたが、予想以上に早い退場で悲しい限り。 命乞いというか「死んでたまるか」からやっぱり死んでしまうという流れは心にきますね。。。
春川魔姫
最初の方は想像以上にツンだったので「思ってたのとちょっと違う…」と感じていましたが、後半から少しデレてくれました。百田さまさま。キャラデザも性格も声もお気に入りです。
星竜馬
メイドさんと同じく、ある程度予想通りの退場。しかし命を譲る形での退場は考えていませんでした。動機ビデオの物悲しさが何ともいえませんね。
百田解斗
左右田枠かと思いきや、最初から最期まで頼れるアニキでした。。。グレンラガンのカミナばりのアニキっぷりだったと思います。1 の大神さくら、2 の七海千秋に並ぶ、シリーズのヒーロー。ハルマキが惚れるのも納得の漢。
夢野秘密子
今作の成長して生き残る枠。西園寺枠にならないかヒヤヒヤしましたが、生き残ってなにより。最終的になんとなく愛着がわきました。ハルマキに怯えるやりとりも良かったです。
夜長アンジー
1章では「思ったほど変な人ではない?」と思いましたが、後半に進むつれてだんだんやばい人感が増していきました。「なんでなんでー」的なことを言うときの顔を左右に揺らすグラフィックスの無邪気で不気味か感じが良かったです。生徒会辺りの不穏な感じもいい味でした。
そういえば「屍者の書」って使った場合はどうする予定だったのでしょうね?(整形か何かで作った)そっくりさんに記憶を植え付けて、とかスタンバイしてたんでしょうか…?
モノクマ
ボイスに大分慣れてきました。大山のぶ代ボイスは恋しいですが、さすがに上手いと思います。
モノクマーズ
結局何だったんです…?登場意義がまるでわかりませんでしたが。。。もう少し意味のある存在であることを期待していたので残念です。
システム
パニック議論、ウソダマ(偽証)、スクラムはどれもなかなか良かったと思います。
ミニゲームは、全体的に微妙であることは織り込み済みなので総じてこんなもんかな、というところではあるのですが、ブレインドライブは問も回答もわかっているのに長いし操作性も悪いしで微妙を通り越して面倒でした。あと、理論武装のゲージの進み方が明らかに一定じゃなかった気がするのですが、Vita 版だとフレームレート安定しないとかあるんでしょうか?それともそういうものなのか。。。なんか乗り切れませんでした。
今作はおまけモードが充実しているようですが、何をしたものか。。