アルゴリズムから思考法を学ぶ:『Algorithms to Live By』
Algorithms to Live By: The Computer Science of Human Decisions
- 作者: Brian Christian,Griffiths
- 出版社/メーカー: William Collins
- 発売日: 2016/04/19
- メディア: Kindle版
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ポイント
- 真に困難な、網羅的な計算で扱える範囲を超えた問題を扱うために、現代のアルゴリズムは運(ランダム性)、正確さと時間のトレードオフ、近似を利用している。
- コンピューター・アルゴリズムが難しい問題やリソース(時間・メモリ)管理にどうやって対応しているかは人間の意思決定の方法の参考にできる。
- そもそも計算(思考)というのは難しいものだから、なるべく計算しなくて済むように物事をデザインすべき。
- 最適なアルゴリズムを学び、それに従っておけば、例え最適な結果が得られなかったとしても「自分は最善を尽くした」と諦められる。
感想
具体的に「この問題はこう取り掛かれば最善の結果が得られる確率が最も高い」という例もいくつか紹介されていますが、それよりもや上に挙げたようなふわっとした全体のテーマが印象に残りました(現実問題として、具体例を上手く使えるシチュエーションがあまりイメージできなかった、というのもあるかもしれませんが)。
「そもそも計算(思考)というのは難しいものだから、なるべく計算しなくて済むように物事をデザインすべき」は著書の中では「Computational Kindness」として結論の中で語られていましたが、 Nudge、行動経済学に通じるものがありますね。全くもってその通りで「どうすれば渋滞を回避できるか」、「どの保険を選べばよいのか」のようなことに(人間が)頭を使わずに済む世界になっていけばよいなぁと思います。