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ほぼプレゼン資料の作り方:『Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書』

何となく表紙に惹かれて読んでみましたが、正直なところ微妙でした。

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

序盤は「ふむふむ、なるほど」という感じで読んでいましたが、実践的な部分(本書でいうところの Stage 2 以降)進むにつれて「なんだかグラフィクを使ってもあんまりわかりやすくなっていないような…」という感じがしてきました。

記録の元の全体像をもともと知っている人(会議の参加者など)が復習のために参照する、という用途には適しているようにも思いましたが、その用途にしても個人的には詳細さや厳密さを欠くことが気になります。記録とは、記憶しきれない部分を補完するためのもので、そこで厳密性を失うのは意味が無いのでは。グラフィック(イラスト)というのはどうしても多義的になりますし。

もちろん厳密な(文章による)記録との併用はできると思いますが、あまりいい感じの例が本書中に見当たらず、レコーディング(記録)というより、単にプレゼンテーションにグラフィックを使っていた、という印象で、「グラフィックレコーディング」という耳慣れない言葉に期待したような新しい知見はありませんでした(記録も未来の関係者に対するプレゼンテーションですが、その役割ならではの知見がなかった、という意味です)。