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本やゲームの感想など

小説感想:『巨人たちの星』

星を継ぐもの』、『ガニメデの優しい巨人』の続編である『巨人たちの星』を読みました。

巨人たちの星 (創元SF文庫)

巨人たちの星 (創元SF文庫)

残念ながら、このシリーズに期待するものからは少し外れた内容で、面白さという点でも前二作と比べると正直なところ劣っている、という印象です。

このシリーズの前二作の良かったところは、悪役がおらず、登場人物の皆が協力して問題の解決や謎の解明に取り組んでいたことだったと思います。それが読中の安心感を伴ったワクワク感や、読後の気持ちよさに繋がっていました。

一方今作ではそれとは対象的に明確に悪役と呼べる存在がいて前二作のキャラクターがそれと対峙する構図となり、それにより政治、駆け引き、陰謀の描写が中心になっています。

この方向性の変更自体はありだと思うのですが、悪役は行動原理がかなり不可解であったことをはじめとして、全体的に納得感に欠ける話に感じました。説明的な描写は多かったので、きちんと追えば納得のいく行動をしていた、と言えるのかもしれませんが、技術レベルや宇宙人種間の関係性などがどうも直感的には受け入れられなかったため、読み返す気にはなれません。

  • 宇宙人種の歴史と関係性が複雑であり、直感的な理解が難しい
  • 悪役の魅力が乏しい
  • 人智を超えた超技術が多用されるため、技術によって可能なことと不可能なことの線引が恣意的、ある種のご都合主義に感じられる

あたりが、イマイチに感じた部分かと思います。


酷評な感じのレビューになってしまいましたが、あくまで良作であった前二作と比べて、なので、それなりには楽しめました。