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ゲーム感想:『ファイアーエムブレムif 白夜王国』

エンディングが始まった時、これは駄目だ…と思いました。要するに、残念ながら結構否定的な感想です。

ネガティブな感想なんて見たくない!という方は、見なかったことにしてそっと閉じていただければと思います。

ファイアーエムブレムif 白夜王国

ファイアーエムブレムif 白夜王国

完結しないストーリー

発表当初から賛否両論のあった2パッケージ構成について、自分は「各パッケージでちゃんと話がまとまっていれば、別にいいのでは?」というスタンスでした。 むしろ、同じストーリーを別視点から、フルパッケージ分の作り込みで見れることでより深くお話を楽しめるのでは、とか、同じ世界観、同じキャラクターで全く別のストーリーが展開されるという方向も面白いかも、そしてインテリジェントシステムズ任天堂)ならそれをやってくれるのでは、という期待感を持っていました。

しかし、蓋を開けてみればどうでしょう。。。 『白夜王国』は明らかに謎を残したまま終わってしまいました(ガロン王(?)やアクアの正体は…?)。

全ての謎が明かされるべき、とまでは言いませんし、含みのあるエンディングがあっても良いです(MGSとか大好きです)。しかし、物語の根本となる謎くらいには、一応の解を示すべきではないでしょうか。

「2パッケージ存在する」という事実が「これ(片方)では不十分なのでは?結局両方買わなくては楽しめないものだったのでは?」というネガティブ印象を後押ししてしまっています。
(暗夜の方を買うと謎が解けるのか?という点については把握していませんが)

お寒い演出

「主人公の事を慕っているという設定を持ったキャラクターが、主人公を庇って、もしくは主人公を思いながら犠牲になって死んでいく」という展開が多すぎませんか…?

「不思議な魅力」などという謎の固有スキルを持っているだけあってか、主人公がやたら(一部を除いた)キャラクターに信頼されていて、それ自体は別に良いです。「幼いころの生き別れの兄弟をそんなに信頼できるものか…?」などとは思いつつも、プレイヤーの分身である以上は嫌われているより良いと思います。しかし、それをシリアスな演出に使われてしまうと

  • 「主人公の魅力ってそんなに演出されてないよね…?」
  • 「今まで見せ場も特になく、ほとんどキャラ立ちしてないキャラに死なれてもなぁ…」

と、ふと冷めて見てしまいます。ゲーム内で提示されていない設定上の主人公の魅力と相手との関係性を元にされてもなぁ。。。

それからマークスお兄さんもいいとこなしで終わりましたね。。。てっきり「ガロン王の異変に気付いていて、従う振りをしつつ謀反の期を窺っている」のだと思っていたら「長兄だから暗夜を裏切れない」という中途半端なスタンスでした。全体的に敵側に魅力のあるキャラクターがいなかったのも、ストーリー好きとして痛いです。

あ、あと「試練なんてないよ、ここまで到達するまでが試練だよ」という途中のお使いイベントの顛末の雑さも、お寒い演出筆頭候補ですね。タクミの裏切る・裏切らないも相当ですが。

なでなで・同性婚

この辺りは、進める上で必須ではないし、あっても(なくても)良いのでは?という立場なので特に書くことはないです。賛否両論起こることを見越した上で、入れるという判断が下ったのでしょう。実際話題性という意味ではプラスに働いているのでは。

子供

『覚醒』では、ストーリー的に子供が出てくることは自然に思えたのですが、今回はものすごく「取ってつけた感」がする出し方でしたね。育成のバリエーションを出すためにシステム上の必要性から入っているのか、キャラゲーとしての訴求要素として入っているのかわかりませんが、もう少しなんとかできないものか。。。

戦闘・育成

普通に良い…のだと思います。FE にもシミュレーションゲーム全般にもそう明るい訳ではないので比較はできませんが、普通に楽しかったです。1周目ということもあり「レベルを上げて物理で殴る!」でクリアしてしまいましたが、それはそれで FE を育成ゲームとして見た場合の楽しみ方の1つということで。


とにかくストーリーと演出が、1本のフルパッケージのソフトのクオリティとしては受け入れがたい、という点が、RPGSRPG をプレイする際にストーリー部分に重点を置く自分には痛かったです。次回も2パッケージ構成での発売となったら、今度は発売当初に手をだすのは躊躇してしまいます。ゲームの新しい売り方(ユーザーからすれば売られ方、もとい楽しみ方)に繋がる可能性も感じていただけに残念に思います。

今後公開される予定の「第3のシナリオ」の値段とクオリティ次第では『ファイアーエムブレムif』として見た場合の評価覆る可能性はあるでしょう。しかし『ファイアーエムブレムif 白夜王国』が1つのパッケージとして売られている以上、それ単体で納得の行くクオリティであるものであって欲しかったです。


とりあえず FE は「第3のシナリオ」に期待しつつ寝かせておいて、今週後半からは『大逆転裁判』のプレイに移ります。 →大逆転裁判も終わったので感想記事書きました(ネタバレ注意)