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読書メモ:『知ろうとすること。』

3行まとめ

  • 人は「科学的に大丈夫」という言葉で常に安心できる訳ではないけれど、「科学的に正しいことを選びたい」という意志があるだけで少し未来をよく出来る気がする
  • どんな非常事態でも、叫ばないでちゃんと説明してくれる人を見つけなきゃならない
  • 検査機器は「人を安心させるためのコミュニケーションツール」としてのデザインが重要な視点となることがある(たとえ科学的に考えれば検査自体が不要な状況であっても)

知ろうとすること。(新潮文庫)

知ろうとすること。(新潮文庫)

ほぼ日の糸井重里氏と、東大教授早野龍五氏が対談形式で福島原発事故後の情報の出方、世の中の反応について振り返りながら、科学的な情報への反応の仕方について語る本。とても短く1時間かからず読み終わりました。

あとがきに記載されている、糸井氏の情報選択基準についてのツイートが takeaway としては全てのように思います。

ぼくは、自分が参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そしてより「ユーモアのあるほう」を選びます。

一方、個人的にはまとめ3点目の「科学的には必要のない検査機器」の話が興味深かったです。皆が(少なくとも非常時には)科学的な思考を受け入れるように教育するべきか、「人は科学的な思考をするとは限らない」ということを受け入れて科学側が譲歩(妥協?)するか、というのは面白い議題に思います。