『論理的思考力を鍛える33の思考実験』
- 作者: 北村良子
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2017/04/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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トロッコ問題やモンティ・ホール問題、テセウスの船、タイムトラベルのパラドックスなど、有名どころの思考実験を集めた本(モンティ・ホール問題のような正解のある数学クイズは思考実験ではないとは思いますが...)。
レイアウトも文章もわかりやすくまとめられていて、「思考実験」的なものに興味を持った人が手始めに手に取るには良い本だと思いました。
小説感想:『タタール人の砂漠』
- 作者: ブッツァーティ,脇功
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/04/17
- メディア: 文庫
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そのときまで、彼は気楽な青春期を歩んできたのだった、その道は若者には無限につづくかに見えるし、また歳月はその道を軽やかな、しかしゆっくりとした足取りで過ぎていくものだから、誰もそこからの旅立ちに気がつかないのだ。 ... いいことは後ろに、はるか後ろにあり、彼はそれに気づかずに、通り過ぎてきたのだと。ああ、もう引き返すには遅すぎる、...
曖昧な根拠のない希望に縋って「何か特別なこと」を待ち続けた一人の男性の、平凡な悲劇の物語。
劇的なことはほとんど何も起こらないので、小説として娯楽性が高いとかそういう方向の作品ではないのですが、我が身につまされるというか、「時間と若さは大切であり、失ったそれらを取り返すことはできない」という当たり前のことが、その辺の自己啓発的な本や文章よりもよほど身に染みました。
章ごとに加速度的に年月が経過する構成が人生の密度の差を表しているようで、そしてそれが自分の人生にもあてはまってしまいそうで、何ともおそろしいです。おそろしいと感じたことをバネに、何とか少しでも間に合うことから頑張りたいところ...。
「ジョバンニ・ドローゴよ、気をつけよ」と彼に言う者は誰もいなかった。青春はもうしぼみかけているのに、彼には人生は長々と続く、尽きせぬ幻影のように見えた。ドローゴは時というものを知らなかった。この先き、神々とおなじように、何百年と青春が続こうが、それさえも大したことではないだろう。ところが、彼にはただの、人並みな人生しか、両手の指で数えられるほどの、ごく短い青春しか、そんなみすぼらしい贈り物しか、与えられていないのだったし、そんなものは気づくよりも前に消え失せてしまうだろう。
人間は「最適」を定義できるか:『人工知能の「最適解」と人間の選択』
- 作者: NHKスペシャル取材班
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2017/11/15
- メディア: Kindle版
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『人工知能の核心』の続編に当たる本。前作は羽生善治さんという自分にとっての興味の対象があったのですが、今回は羽生善治さんが考えを披露する箇所はあまりなく、人工知能の研究や利用を行っている方々へのインタビューが中心です。
広く浅くカバーされていて読みやすく、新書らしく軽い読書に良かったです。各テーマについてちゃんと自分で考えていけば、重みのある読書にもなると思います。
一方で、文中のインタビュアー(著者)の方の人工知能に対する不安・懸念はよく言えば妥当、悪く言えば当たり前で、はっとさせられるような面白みのある箇所は特にありませんでした。
『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』
- 作者: 吉田尚記,石川善樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2017/09/21
- メディア: Kindle版
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タイトルに惹かれて読みました。対談形式で読みやすかったですが、何が書いてあったかはほぼ忘れました。
科学者の人(?)が「いろんな感情を意識的に感じるようにしている、それが科学に必要なクリエイティビティに繋がる」みたいなことを言っていたような気がします(うろ覚え)。
一方でアナウンサーの人(?)は「怒りは感じなくて済むなら感じなくていいのでは」みたいなことを言っていたような(更にうろ覚え)。
「科学的に考えてみた」というにはふわっとした内容で、結論的なものは特になかった気がします。
まぁ本書の具体的な内容はともかく、「幸せになる」というのは人生の最大の目標と言っても過言ではないと思うのですが、「自分にとって幸せとは何か」、「どうすれば自分は幸せになれるのか」というのは意外にあまり本気で考える機会がなく、行動に移すとなると更に遠いものだなと思いました。
考えてもよくわからなくて答えは出なくて、つい目先の娯楽に手を伸ばしてしまったり、「良い人間関係が幸せの源だ」という研究結果があるのは知っていて、それに基本的に納得はしていても、「じゃあ良い人間関係を作るための努力をしよう」という行動にはなかなか移れなかったり。
幸せになりたい、でも努力はしたくない、という状態、改めないとなぁ。
ゲーム感想:『嘘つき姫と盲目王子』
- 出版社/メーカー: 日本一ソフトウェア
- 発売日: 2018/05/31
- メディア: Video Game
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「悪くはなかったけれどこれがフルプライスかー」です。あらゆるところで同じ感想が叫ばれているように思います。
このボリューム(5時間くらいでクリアできる)、このシステム(良くも悪くも単調で手軽な反面チャレンジ性に欠け、再プレイしたくなるようなものではない)、このステージデザイン(ひどくはないけど優れてもいない、調整が少し雑な部分があるように思える)で 6000円超えはちょっと...。
最近の 1000 ~ 2000円くらいで買える良質なインディーゲームに慣らされてしまったからかもしれませんが、どうしても相対的なコスパは良くないので勧めにくいです。
独特なアートワークやキャラクターデザインは結構好きなんですけどね。
次は人に勧められるような新作が出ることを期待したいと思います。