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システマチックに改善を続けるために:『Principles』

Principles: Life and Work (English Edition)

Principles: Life and Work (English Edition)

ポイント

  • 判断基準・ルールを明確にし、言葉やコンピューターアルゴリズムの形で書き出す。
    • 誰もがその基準・ルールを活用し、妥当性を評価し、改善できる。
    • アルゴリズム化できれば、自分の頭の中には収まらない量のデータを高速に扱える。
  • 問題の真の原因を追求すること。
    • 「私たち」のような曖昧な言葉を使わず「誰の」という個人名まで明らかにする。
    • 問題に至った動作(もしくは動作の不足)で止まらず、それがなぜ起きたかまでを突き詰める。
  • 他人に起こったこと、自分が生まれる前に起こったことを含めて、過去の事例から学び、準備すること。
    • ほとんど全てのことは「よくあること」の1つで、論理的な因果関係を理由に繰り返し起こる。
    • 目の前のことは大きくみえる。俯瞰的に捉えること。
  • 苦痛や問題は改善の可能性・機会である。
    • 痛み + 反省 = 前進。
    • 問題を特定し、容認しないことは最も重要なことの1つである。
  • 決定がもたらす一次的な影響に重点をおきすぎず、2手、3手先への影響まで考える。

感想

特に参考にしたいと思ったポイントは「判断基準を明文化する」ことと「決定がもたらす先の影響までを考えること」。

「判断基準を明文化する」については、例えば「暇な時に何をするか」とか「夕食は何にするか」のような日常の些細なことでも、頭が働いている時に作ったルールに従う、ということ自体に価値はありそうです。ルールに沿うだけで良ければ意志力の消費も少なく、長期的に見て良い行動を選択しやすくなるのではないかと。

「先の影響まで考える」については、あらゆる決断でついて回る話なので。間食をする → 直近の満足感・快楽は得られる → 後で後悔する・健康にマイナスの影響がある(と心配してしまう)、夜更かしして漫画を読む → 楽しい → 翌日辛い、などのような小さなことから、仕事を最低限の形でこなす → タスクを完了したという満足感・開放感が得られる → 後で不具合や技術的負債に苦しむ、といった仕事のことまで。先のことを考えるべきというのは当たり前と言えば当たり前なのですが、この意識を持ちつつ判断基準を事前に明確にしておくことで、普段から後で後悔しない決断を繰り返せれば良いなぁと思いました。

著者については TED での登壇なども含めて YouTube にいくつか講演、インタビューの様子が上がっており、本人のチャンネルもあるので、たまに見返すと復習になりそうです。


Ray Dalio: "Principles: Life and Work" | Talks at Google