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ゲーム感想:『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』

PS Vita で発売されたゲームの PS4 移植版。「ストーリーが良い」という評判を聞いていたので、遊んでみました。

一通りクリアしたので、ストーリーのネタバレはなしで感想を。プレイ時間は 60時間ほど。

個々の項目についての前に全体的な感想を一言でまとめると「良いゲーム、でもいろいろと(特にシステム面が)惜しい!」です。

ストーリー

前評判通り、ダークではあるものの無意味にダークで悪趣味、という訳ではなく、最終的には遊んでよかったな(これが重要)、と思えるようなものでした。

文章表現のみですが結構エグい演出(人が食べられるなど)はあるので、そのへんの耐性がない方にはちょっと薦められませんが…。

難点を挙げるとすれば、ダンジョン攻略の進行とストーリーの進行が直接リンクしていない部分が多く、ダンジョン攻略がストーリーの一部ではなく、ストーリーを進めるためのタスクになってしまっている、と感じる部分がある、というところ(まぁ実際そうとも言えるのですが)。

ダンジョンであるアイテムを手に入れたから、それを元にストーリーが進む、というパターンは納得できるのですが、ダンジョンで一定階層に進んだらストーリーが少し進む、しかしそのストーリーのイベントとダンジョンの進み具合は特に関係がない、となると「うーん」という感じがします。

ストーリーが全然進まなければそれはそれでストレスになるので、ある程度は仕方ないのかなとは思うのですが、やっぱり遊んだ結果によってストーリーが進む、という形が好みです。

ちなみに、ストーリーをクリアするだけで話の大筋はわかるものの、散りばめられた考察要素は多いです。クリアした今もまだ完全には理解できていません。

キャラクター

まぁ、ルカがかわいいですよね。本当に。癒やされます。こういうキャラクターは一歩間違えれば「うざい」という印象にもなり兼ねない気はするのですが、そんなことも感じませんでした。台詞回しと声優さんの力でしょうかね?

システム(管理周り)

一番の難点は使用可能キャラクターの多さ。このゲームの特色であり、「旅団」らしい、といえばらしいのですが、全員をしっかり管理するのはかなり大変です。

例えば強い装備が手に入った時、それを主力キャラクターに装備させるとなると、そのお下がりを次点のキャラクターに装備させて…という連鎖が発生しますが、メンバーが増えるとそんなこといちいちやってられない…という感じになってきます。

一方で、一番弱い装備をつけているキャラクターに今入手した装備をつければお下がりの連鎖は避けれれますが、それはそれで誰の装備が一番弱いか、ということも覚えていられないという…。

結局ある程度適当に装備を入れ替えることにした結果、気がついたら強い装備を遊ばせてしまっていた、ずっと弱い装備のままのキャラクターがいた、なんてこともありました。

また、装備のパラメータ数が多い割に、「攻撃力」と「防御力」しかソートに使用できないために、基本性能が「回避力」の「靴」や多彩なパラメータ要素を持つ「装飾品」をいい感じにソートできないなど、機能的にも痒いところに手が届かない部分があります。

同じ装備品でも個体毎にパラメータが異なることがある、というのも管理をややこしくしている要因の1つ。

もし同じようなゲームが出る場合には、メンバー数を減らすか、システム面を改善するかを期待したいところです。

システム(戦闘)

戦闘参加メンバーが多い = 1ターンにかかる時間が長い、ということになるので、後半は見ている時間が長くなりがちです。特に敵から全体攻撃を受けると、それだけで結構な時間を持っていかれます。一応戦闘の早送りや一部メッセージの省略はできるものも、それでは物足りないくらいに時間がかかります。最終的にはこれが一番の難点かと。

あとは、クリティカルヒットの威力や状態異常の効力の強さ、ボス級キャラクターの一撃の重さなどから、運要素は大きめ、という印象。装備やスキルである程度自分に有利になるようにコントロール可能なので、そういうものとして受け入れればそんなに不満点ではありませんが、勝ちも負けも運次第、という感じは多少あったかもしれません。

他に細かいことを言えば、攻撃属性の「霧」や「泥」、状態異常の「腐臭」や「深淵」など、一般的なゲームとは微妙に外れた項目も無駄に学習コストをかけさせているのでは…という印象がありました。

システム(マップ)

ここはあまり不満点はありませんでした。探索は快適で、次に行くべき場所に!マークが付いているので、やることに迷うことはなかったです。

音楽

良いです。サントラ付き限定版を買っておいて正解でした。ダンジョン曲の雰囲気、戦闘曲のテンポ、イベント曲のしんみり感など、どれもいい感じです。

お気に入りは「Run About」、「Closed Flower Garden」や「A the ha lluri da」など。


システム周りでいろいろと苦言を呈していますが、プレイしてよかった、という感想は変わらずです。

これからも王道とは少し外れたストーリーのゲームを期待しています。