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小説感想:『Paper Magician』

久々に Kindle オーナーライブラリーを活用して洋書を読みました。

The Paper Magician (The Paper Magician Series, Book 1)

The Paper Magician (The Paper Magician Series, Book 1)

Teen & Young Adult 向きで 200ページ強ということもあり、平日含めて3日で読了。

主人公が恩師を助けるために敵に立ち向かう、というシンプルなストーリーで、途中特に大きなひねりもありませんでした。

設定の説得力は少し弱い気がします。魔法使いは「契約」を交わすことで1種類の人工物に魔法を掛けることができるようになるものの、その対象は1つ限りで一生変えることができない、主人公は自分の希望に反して「紙」と契約することになる、紙なんて嫌だ…(世間的にも紙は人気がない模様)という導入なのですが、話が進むに連れて「紙魔道士万能過ぎでは?」と思えてきます。

他の魔法使いがほとんど出てこないため、もしかしたら相対的に見ると紙は弱く、地位が低いのかもしれませんが、であれば今回主人公が相対することになった敵の魔法使いへの対抗方法はいくらでもあるのでは、という方向に考えが進み、どっちにしても納得感には欠けそうです。

まぁ、魔法モノでこのあたりに必要以上に突っ込むのは野暮かもしれませんね。この世界における魔法のルールや役割もあまり詳しくは語られていませんし、良くも悪くも Teen & Young Adult 向けに複雑さが排除され、主人公の話に終始している、と言えるかもしれません。