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微生物も積もれば巨人となる:『見えない巨人―微生物』

微生物に関してはほとんど何も知らず、せいぜい細菌のイメージが先行してなんとなく良い印象は持っていないという程度だったのですが、本書で微生物の多様性と有用性を窺うことができました。まさに「知らなかったことを知る」ことができて大変満足です。

本書を読み終わった後での「微生物」のイメージは「超効率的な分子機械」です。微生物という大きな括りに良い悪いと判定を下すことはできず、個々の微生物次第、あるいは使い所次第で有益にも有害にもなる、ある意味「科学」にも似たような広い領域を指すのだと思いました。

見えない巨人―微生物

見えない巨人―微生物

微生物とは何か?という問いに対する答えから始まった後、「発酵」、「病原」、「環境」を大項目としてそれぞれで微生物が果たしている役割や仕組みが解説されています。病原としての微生物がなぜ既存の抗生物質に対して抵抗力を持つようになるのかや、環境保全や工業品生産における微生物の役割などが興味深かったです。