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皮膚がふやける理由:『触れることの科学: なぜ感じるのか どう感じるのか』

読書 科学

触覚に関する身近な様々な疑問に対して、今までに解明されている脳や神経といった解剖学的な仕組みから科学的に説明していて、読みやすく面白かったです。

触れることの科学: なぜ感じるのか どう感じるのか

触れることの科学: なぜ感じるのか どう感じるのか

温かいコーヒーを持たせた被験者は架空の人物を温かい人、冷たいコーヒーを持たせた被験者は同じ架空の人物を冷たい人と評価する傾向にあり、重たいものを持たせた場合には真剣さといった重々しさを感じさせる項目を高めに評価する、といった触覚が統合的な印象にもたらす錯覚的な側面から、トウガラシを熱い、ミントを冷たいと表現するのが世界共通なのは、皮膚にそれぞれが持つ化学物質に対する反応を示す神経終末がある、といった単独的な触覚感覚の仕組みまで、幅広いトピックが扱われていました。

一番記憶に残っている豆知識は、お風呂やプールなどに浸かったままでいると皮膚がふやけるのは角質に水が染み込んだからではなく、(タイヤの溝のように)濡れたものに対する保持力を高めるためであると推測されていること。神経の切断などによって脊髄から皮膚への信号伝達が妨げられている場合にはふやけないそうです。なるほどー。

適度な速度(5cm/秒程度)で撫でられた場合に反応を示す「愛撫専用」とも言えるような神経があること、性的嗜好の一部は神経の分布によって説明ができる、性器は敏感な器官だが空間的な分解能は低いので点字は読めない(実験済み)など、性的な記述が多いのにはちょっと予想外でしたが、まぁ触覚の中でも特有だからでしょう。

いろいろな事例・事実が紹介されていて楽しめました。