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人工知能の人権 > 人間の人権?:『シンギュラリティ:人工知能から超知能へ』

満足度:★★★☆☆

シンギュラリティ:人工知能から超知能へ

シンギュラリティ:人工知能から超知能へ

人間と同等もしくはそれ以上の認知能力を持つ人工知能の実現方法についていくつか簡単に紹介した後、その発明が社会にどのような意味をもたらすかについて語る一冊。

科学・工学方面の話は、超知能の実現を前提とした話のリアリティを持たせるための最低限の説明といった感じで、あまり深い話はありませんでしたが、社会への影響や表面化する倫理的問題については面白い視点がいくつかありました。

例えば、以下の点は興味深い問題だと思います。

  • 現在の社会では暗黙的・慣習的に「苦しみを理解する能力」によって生物の扱いの倫理性を規定しているが、人間の脳構造をベースにした人間以上の認知能力を人工知能が作られた場合、それらにはどのような権利が与えられるべきか?
    • 人間よりも繊細に苦しむ能力を持つと言えるのだから、人間以上の権利が与えられるべきなのか?例えば、1人の人間と1つ人工知能、(リソースの都合などで)どちらかを犠牲にしなければならないとなった場合、人間の方を切り捨てるべきなのか?
    • 人工知能を殺す(シャットダウンする)事はどのような罪になるのか?
      • コピーやバックアップができるという事実は、個体の扱いに対する罪の重さを変えるのか?

思考実験的なトピックが多く、近い将来での実現を感じられるものでもなかったので、かなり流し読みをしてしまいましたが、それなりに楽しめました。