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AI との対決を通して人間らしさを考える:『機械より人間らしく慣れるか?』

チューリングテストの大会*1にサクラ役として参加することになった著者が、「人間らしさとは」という問に対して考えたこと・調べたことをまとめた本です。

チューリングテストに関係あることないこと含めて多様なトピックに話が飛ぶので「チューリングテストにサクラ役として参加した人のノンフィクション物語」として楽しめるタイプの本ではありませんでした。どちらかと言えば AI と人間性に関係の有る(と著者の方が考えたこと)を並べたエッセイ集のようなイメージです(エッセイ集と呼ぶには技術的な話が多いですが…)。

これはこれでいろいろな話題について読めたので良かった面もあるのですが、「チューリングテストのサクラ役」という主題を軸に会話関連の AI 技術に的を絞った本になっていたら、もっと読みやすく面白い本になったのではと思います。

文庫 機械より人間らしくなれるか? (草思社文庫)

文庫 機械より人間らしくなれるか? (草思社文庫)

*1:審判員が AI もしくは人間とチャットで会話し、会話の相手が AI なのか人間なのかを判断する。サクラ役の人間はチャットを通して自分が本当に人間であると示す必要がある