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岩田社長にみる全体最適化ゲームとしての人生:やりたい事 vs やるべき事

岩田社長がこれほど尊敬される社長である理由は、その能力の高さはもとより、自分の人生と世界を"全体"最適化問題として捉えていたからなのかなーと、今回の【岩田 聡氏 追悼企画】を読んで思ったので、将来の自分のためにメモ。

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以下の石原氏のコメントや今回の記事の他のエピソードの節々が示すように、岩田社長は経営者になりたかったわけではありません。

4Gamer:  でも,それほどの人が,やがてコーディングの現場を離れることになるわけですよね。

石原氏:  任天堂の社長になってからは,さすがにコードは書かなくなりました。そうなってしまった自分に対する苛立ちはずっとあったように思います。

ただ、当時の状況を鑑みて「自分がやるべきだ」と判断して経営業を引き受けたのでしょう。そして誰もが知る通り、見事にその責務を果たされました。

このとき岩田社長がもし「自分の人生を最適なものにする」という基準で社長を引き受けるかどうかを判断していたら、今の任天堂やゲーム業界はなかったかもしれません。やりたかったわけでも目指していたわけでもない社長業のために、愛するプログラミングやエンジニアリングから離れなければならなくなるのですから。スーパープログラマーとしてどこでも活躍できる能力を持っている人だからこそ、その選択は重いものに思えます。

自分の利益やエゴを抑えて周りを俯瞰し、自分が最大限に貢献できる道を選ぶ。そしてその道で妥協せずに全力を尽くす。きっと厳しくも充実した人生なのではと憧れます。

「自分はどうありたいか」、「自分が何をしたいか」につい意識が向いてしまいがちなので、時折岩田社長のことを思い出し「自分は全体のためになっているか、何ができるか」という考えを持てるようになりたいものです。