読書メモ:『声に出して踏みたい韻』
「ラッパーが踏む奴(笑)」の「(笑)」を取り除くために書かれた、韻の徹底解説本
です。(本書「はじめに」から引用)
私はラッパーどころかラップ好きですらなく(嫌いでもない)、音楽自体あまり聴く方ではありませんが「聞き心地の良い言葉のリズムを生み出す韻というものとは」というテーマが論理建てて説明されていて、読み物として楽しめました。「あーすごい、考えられているんだなぁ」と。ラッパーや作詞家の言語力の高さが良くわかります。
- 作者: 細川貴英
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2015/06/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
3ポイントまとめ
- ダジャレが子音と母音の両方の一致を条件としているのに対し、韻は母音が一致していれば成立し、かつ長音・促音・撥音を無視できるが、拘束条件が緩い分、繰り返し数や品詞・語のバリエーションで質のレベルに差が出る
- 日本語は英語と比較して母音の情報量が少なく、文末が画一的になりがちな文法規則を持っている(動詞が最後にきて活用方法(変化の形)がほとんど同じ)ので韻が踏みにくい。そのため、体言止めや文章の途中で区切りを入れることなどの工夫を入れたりする
- ラップにラッパー自身についての言葉や脈絡のない言葉が急に出てきたりするのは、オリジナリティや韻の強さを出すため