読書メモ:『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』
6行まとめ(?)
- インターネットの次のスターは、コンテンツを集めるだけでなく、その意味や文脈を解き明かしてくれる解説者(ロールモデルは池上彰さん)
- 「ビッグデータ」の流行に乗ろうとしている企業の中には、自分に身近な「小さな、でも確かな情報」をちっとも把握してないし、ビジネスに活用していないところがある
- 「これからは最高の消費者こそが、最高の作りてになると思う」と糸井重里さんが予言していたが、本当にそうなりつつある
- 縮んでいると言われている市場でも、縮んでいるのは新商品の話で、中古市場は活発、というケースはある。車や住宅など。
- 未来を創るのは「未来の生活」を具体的に妄想する力、それをテクノロジーが実現する。1970年台に「宣伝の時代」を書いていた星新一や、ドラえもんの藤子不二雄的な「SF力」を目指すべき
- 自分の役割によって社会をどういうふうに動かしたいかという意味での「世の中の接点をデザインする意志」を持たないと、具体的に市場や人を動かすアウトプットに繋がらない、脊髄反射的な反応の応酬になってしまう
(一つの主題について書かれている本ではないので、印象に残ったポイントを6点選択)
本書は対談の内容がそのまま書かれているような形式です。話者2人が明確にインタビュアーと回答者という関係性ではないために、読者を想定して話の主題の整理や内容の補足をする人がいません。タイトルに釣られて読んでみましたが、私には苦手なタイプの本でした。
そして、ところどころなるほどと思う点はあった反面、タイトルにある「原始人に戻った」という主張については、結局のところ納得するには至りませんでした。
そもそも
- 原始人的とはどういうことか
という定義が特に見つからないんですよね。なので
- SNS 等を通して、小さなコミュニティ(村)に所属できるようになり、その小さな社会の中でのコミュニケーションの比重や人気の重要性が増した
というポイントには同意できても、"だからインターネットは我々を「巨大な組織の中で生きる現代人」から「小さな村で活動する原始人」に先祖返りさせた" と言われても ??? という感じです(イメージ例に挙げられている「ギャートルズ」を知らないのが痛い?)。
タイトルには囚われず、今起きている雑多な現象についてのインプットを得たい、という心で読むと良いかもしれません。
インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ
- 作者: 小林弘人,柳瀬博一
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2015/01/24
- メディア: 単行本
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