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本やゲームの感想など

社会

人類は神になる:『Homo Deus』

サピエンス全史で有名な著者による、未来の人類の展望。 Homo Deus: A Brief History of Tomorrow作者: Yuval Noah Harari出版社/メーカー: Vintage Digital発売日: 2016/09/08メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 戦争や飢餓といった問題…

自由市場という幻想:『最後の資本主義』

資本主義を脅かしているのは、今や共産主義や全体主義でもなく、現代社会の成長と安定に不可欠な「信用」の弱体化である。大多数の人たちが、自分や子どもたちに成功への機会が公平に与えられているとは信じなくなったとき、(中略)現代社会は瓦解し始める…

著名思想家4人によるディベートの結果は:『人類は絶滅を逃れられるのか』

「人類の未来は明るいか」というテーマについて、肯定派にスティーブン・ピンカー(「暴力の人類史」などの著者)とマット・リドレー(「繁栄」などの著者)、否定派にマルコム・グラッドウェル(「天才!」などの著者)とアラン・ド・ボトン(「旅する哲学…

WORLD ORDER:『国際秩序』

柔軟な多国間関係による自律的なパワーバランス調整と、他国の権力の正当性との折り合いの付け方(例えばイスラム教的な教義では最終的にはイスラムによる世界統一が目標になるため他国の存在そのものが正当ではないとされるが、そのような考え方と現実的に…

「客観的」という幻想:『ナンバーセンス ビッグデータの嘘を見抜く「統計リテラシー」の身につけ方』

政府や企業が「(ビッグ)データによって客観的な事実が得られた」と言うとき、それを鵜呑みにしてはならない。同様の理由で「何とかランキング」にも注意すべきである。 データの収集、解釈、提示、どのステップにも誰かの意図が混入する。ここでの「客観的…

秩序はデザインによってではなく進化によって生まれる:『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』

生物のみならず、科学・道徳・経済・宗教など人が生み出したありとあらゆるものが、「進化」という変化と淘汰を繰り返す試行錯誤のプロセスを経て今に至る。このボトムアップ的な力を認め、受け入れるべきである。 歴史が一人の偉人の力によって動かされ、世…

失敗なくして進歩なし:『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織作者: マシュー・サイド,有枝春出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2016/12/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 失敗から学ぶ組織(業界)の主要な例…

砂糖・塩・脂肪:『フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠』

とても素晴らしいビジネスドキュメンタリー本でした。副次的な作用として、間食の予防、ダイエットにも役立ちそうです。 煽動的なタイトルとは裏腹に*1、常識的な消費者の視点で加工食品業者が行っている商品戦略、マーケティング戦略の裏側、負の影響を徹底…

テクノロジーが注意を奪う:『神経ハイジャック ― もしも「注意力」が奪われたら』

2006年に携帯電話を操作しながらの「ながら運転」が原因で起きた交通事故を、関係者のバックグラウンドを詳細に調べてドキュメンタリー風の物語として進めながら、テクノロジーが浮き彫りにする注意力の限界やそれがもたらす社会への影響についてまとめ上げ…

道徳が嫌いな方に:『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』

満足度:★★★★★ 私は小学校のころは道徳の授業が嫌いでした。 …ということは特にない(*1)のですが、「道徳」と聞くとちょっと身構えてしまいますね。胡散臭いというか、宗教感があるというか、思想統制のにおいがするというか。 社会はなぜ左と右にわかれる…

悪魔を生み出す簡単な方法とは:『ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき』

満足度:★★★★★ かの有名なスタンフォード監獄実験の詳細について、準備から実施、そして振り返りまでまとまった形で読めただけでも価値のある本でした。 ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき作者: フィリップ・ジンバルドー,Philip Zimbard…

善悪は直感で決まり、理屈は後からついてくる:『〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義』

脳が意識をつくり、脳が物理法則に従うのであれば、自由意志とは幻想なのではないか…、というよくある(?)疑問に対して、多くの科学的な研究を挙げて「今までにわかっていること」と「まだわかっていないこと」を幅広く解説した良書でした。 また、個人レ…

読書メモ:『NEXT WORLD』

多種多様な「未来の社会の形を大きく変える可能性のある技術」が紹介されている本。 紹介されている技術の幅が広いので、こういうネタが好きで既にいろいろ知っている、という人でも、多くの新しい話題に触れることができると思います。 こういう革新的な技…

読書メモ:『ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!』

「人生というゲーム」にちゃんと向き合うことになった時、ゲーマーの人たちの持っているポテンシャルってのはかなりのもんなんじゃないかとは思うんです。 という言葉が出てくる第一回から始まって、川上量生氏と、ゲーマーやそうでない人が対談形式でいろい…

読書メモ:『知ろうとすること。』

3行まとめ 人は「科学的に大丈夫」という言葉で常に安心できる訳ではないけれど、「科学的に正しいことを選びたい」という意志があるだけで少し未来をよく出来る気がする どんな非常事態でも、叫ばないでちゃんと説明してくれる人を見つけなきゃならない 検…

論文メモ:『Do Artifacts Have Politics?』

3行まとめ 私達がテクノロジーと呼ぶものは世の中に秩序をもたらす手段という意味で、政治・法律などと変わらない面がある 設計者・開発者の意図の有無に関わらず、テクノロジーそれ自身がもつ性質がある種の政治形態・組織形成を促進しうる 一度あるテクノ…

読書メモ:『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』

3行まとめ 社会側・制度側の変革が必要な一方で、問題による被害を受けている当事者達(この本では主に女性)が一歩踏み出し声を挙げる必要がある。問題がない(既に解決した)ふりをしていては何時までも解決しない 多くの女性が権力のある地位に就くことが…

TEDメモ『What happens when our computers get smarter than we are?』

3行まとめ チンパンジーと人間の脳の差は大局的に見れば僅かだが、その僅かな差によって、人間はチンパンジーには到底成し得ない技術を可能にした 機械学習の発展によって人間の手を借りず自ら学べるようになった人工知能は、いずれ人類最高峰の天才の知性を…

読書メモ:『時間資本主義の到来』

3行まとめ 科学や思想の発達によって、人類は自然(衣食住)や社会(身分、知識、情報)から課せられる制約を克服し続けてきたが、「時間」という克服不能な制約条件が浮かび上がってきた スマートフォンを筆頭にした IT 技術の進歩により、今まで有意義に使…

読書メモ:『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』

6行まとめ(?) インターネットの次のスターは、コンテンツを集めるだけでなく、その意味や文脈を解き明かしてくれる解説者(ロールモデルは池上彰さん) 「ビッグデータ」の流行に乗ろうとしている企業の中には、自分に身近な「小さな、でも確かな情報」…

書評:『Reality is Broken』(幸せな未来は「ゲーム」が創る)

3行まとめ 現実はゲームのように、明確で自分の能力に合った目標とその達成のための手順を与えてくれることがなく、即応的なフィードバックや分かりやすい報酬にも欠けているので、取り組みにくい 逆に、ゲームのそのような仕組みを現実に取り入れることで、…

そして誰も責められなくなった:豊かな人ほど自殺する理由

『0ベース思考』を読んでいて知った自殺に関する理論なのですが、興味深かったので書評とは別にメモを。 証明や検証はされていない、アイディアレベルの考えとのことですが、 どんなに不幸でも、政府であれ経済であれ、何かのせいにできれば、それが免疫と…

書評:『コピーキャット - 模倣者こそがイノベーションを起こす』

ビジネス戦略としての「模倣」の有効性を、費用対効果という具体例を出しながら詳しく語る本です。ビジネスやお金の儲け方に興味がある人なら読んで損はありません。 コピーキャット―模倣者こそがイノベーションを起こす作者: オーデッドシェンカー出版社/メ…

全員の給料が増えても平均幸福度は上がらない

え、皆が豊かになれば皆幸せになるのでは?という方に簡単な質問を。 皆の収入が変わらぬまま、あなたの収入が増えたらあなたはどう感じるでしょう? あなたの収入が変わらぬまま、皆の収入が増えたらあなたはどう感じるでしょう? 後者を想像したとき、自分…