ゲーム感想:『LiEat』
小説感想:『虚ろな十字架』
相変わらず東野圭吾氏の作品は読みやすいなぁ、というのが第一印象です。
本書は「死刑の是非」という重めのテーマを扱っている、ということだったので「さまよう刃」くらいキツいものを覚悟していたのですが、その点は良くも悪くも大分ライトに抑えられていました。
話の軸である、メインの視点となる登場人物にとっての「過去、娘が殺された事件」と「現在、離婚した妻が殺害された事件」が現在その人物に与えている影響が限定的なので、読み手としても事件の遺族というよりは事件の関係者、くらいの距離感での感情移入になります。
他の点でも、現在の事件では妻側にも非がないとは言い切れないと思わせようとしていたり、過去の事件で加害者を弁護した弁護士の動機に対する突っ込んだ追及はなかったりと、事件の被害者・遺族が感じる「理不尽感」が出ることを意図的に控えているように思いました。
もう少し踏み込んだものを期待していた、という想いもありますが、これはこれでバランスが取れているのかもしれません。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/05/11
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ゲーム感想:『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』
プレイヤーはバーテンダーとして、お客からのリクエストに答えるようなカクテルを出しつつ、会話を読んで楽しむゲーム。出すカクテルによって会話が変わったりするので、カクテルが選択肢の代わりのノベルゲーム、のようなものと思っておけばそんなに間違ってはいないはず。
Cyberpunk という言うだけあって舞台は未来で、人に限らずロボットも AI も(喋る犬も)お客として登場するのですが、その辺りの世界観も含めて面白かったです。くだらないもの(ちょっと下ネタが多め)からシリアスなものまでいろいろな会話を楽しめました。日本のアニメ・ゲームを元にしたネタもところどころにあって、気付くとちょっとニヤリとできたりもします
特にお気に入りのキャラクターは Sei, Stella, Dorothy, *Kira* Miki。なんて言えばよいのか、彼女たちは思わず応援したくなるような気持ちのよい性格をしている、という印象です。
英語のニュアンスが掴みきれていない部分もちょっとありましたが、そんなに気にならない程度。非公式の日本語はあるようですが、そちらは未確認。
物語や会話を楽しみたい、という方にはオススメです。「壮大なストーリー」とはまた違った雰囲気の楽しみがありました。
小説感想:『ヒトラーの描いた薔薇 』
ゲーム感想:『OneShot』
とりあえず1回クリアしたのでエントリーを。2周目も追ってプレイしようと思います。主人公の Niko 君が健気でとてもかわいい。
脱出ゲームに近い感じで、周りを探索してアイテムを集め、時に集めたアイテムを組み合わせながら次の場所へ進んでいくゲームです。そんなに広い世界ではないですが、アイテムを探し回るために歩き回る時間がちょっと億劫かな?
ネタバレを避けるため詳細は書きませんが、いろいろな意外性のある「仕掛け」もあるので、ヒントを読み解く英語力がないと詰まる可能性はありそうです。そういう意味では攻略サイトを見ない!というポリシーがある方はちょっと注意が必要かも。そうでない方は、少しの間考えてわからなかったら攻略サイトを見る、でも「なるほど!」という納得感は得られるので、それで良いと思います(自分は何度かそうしました)。英語に自信がないから、といってプレイしないほうがもったいないかな?と思います(日本語対応はもうすぐ、と発表されているものの、それから既に2ヶ月経過しているので、進行しているのかどうか…)。
「仕掛け」を含めた世界設定など、PCのインディーズゲームならでは、って感じで面白かったです。