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本やゲームの感想など

【38冊】2017年1月~3月に読んだ本の振り返り

ブログに記載していないものも含めて、1月~3月に読んだ本は計38冊(1月10冊、2月13冊、3月15冊)でした。

この間に読んだ特に面白かった本を採りあげた後、今期の反省と次期 3ヶ月の目標について書き留めます。

ベスト5

※ 便宜的に順位を付けてますが、あんまり意味は無いです。どれもオススメ。

1位:フードトラップ

食品加工企業の砂糖・脂肪・塩の使用を追ったドキュメンタリー。とても濃密。

edx.hatenablog.com

2位:恐怖の哲学

フランクな文体でありながら結構深い、そんな本です。

edx.hatenablog.com

3位:進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来

著者のエネルギーを感じられる本ってのはやっぱりいいですね。科学・歴史系の読み物が必ずしも淡々と事実のみを語るものである必要はないと思います。

edx.hatenablog.com

4位:紙の動物園

唯一の小説。綺麗な短編集です。

edx.hatenablog.com

5位:見えない巨人―微生物

微生物についてまったく知らなかったので、導入として。

edx.hatenablog.com

その他ピックアップ

サーチ・インサイド・ユアセルフ

仕事中に叫びたくなったときに時折思い出して「相手も自分と同じ人間で、問題を解決しようとしているだけなんだ…」と自分に言い聞かせています。ストレスを引きずる時間は短くなった気がします。

edx.hatenablog.com

Pythonクローリング&スクレイピング -データ収集・解析のための実践開発ガイド-

今期読んだ数少ない技術書。役に立ちました。

edx.hatenablog.com


今期の反省と次期 3ヶ月の目標

冊数ベースで考えると週3冊くらいなので悪くない、というよりむしろ良好でしたが、技術書を全然読んでいない、つい本を読んでしまって運動を全然していない、ということを考えると全体としてのバランスは良くなく、むしろ読みすぎでした。それから洋書を全然読んでいなかった(2冊のみ)ので、英語の感覚の衰えが少し心配です。

カテゴリ 読んだ数
小説 10
技術書 3
その他(科学系・ビジネス系の読み物が多い) 25

次期は技術書7冊(2週に1冊 + ゴールデンウィークに + 1冊)、洋書4冊くらいを目安に、かつ全体での読書冊数は最大でも25冊くらいに抑えて、その分を運動などに回したいと思います。

読書から割いた時間を『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に取られすぎないように自制しなくては…。

本当の問題を探すには:『ライト、ついてますか―問題発見の人間学』

上司に「プログラミング関係でオススメの本」として幾つか挙げていただいた内の一冊。

とはいえプログラミングの話は例として挙げられる程度で、内容自体は万人向け。

軽快な口語体で、フィクションのエピソードをベースに、解くべき問題そのものについて考える必要性を説く。なぜなら(以下引用)

問題解決のあとの方の段階で急ぐことは間違いのもとになる。だがその最初の数分で急ぐことは災厄のもとになるのだ。

古い本であるせいなのかすこし日本語訳を不自然に感じる部分はあったものの、全体としてはとても読みやすかった。

150ページ程度とコンパクトで、重要なメッセージは1ページまるまる図と一緒に書かれていたりもするのでたまにパラパラと見返すのにも適していると思う。

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

小説感想:『ハルビン・カフェ』

文庫で約600ページの長編小説。第5回(2003年)大藪春彦賞受賞。

警察、公安、中国・朝鮮・ロシアのマフィア、そして「P」が織りなす複雑な組織・人間関係が背景に、過去の事件の復讐のために幕を開けた最後の事件の操作を通してテロ組織を導いた男に迫っていく。

登場人物は多いしその関係性は複雑だしで読むのはなかなか大変だったものの、読ませる力はあって主要人物が固まっていく中盤くらいからはグイグイ惹き込まれる。読み終わった後には余韻の残る面白い作品だった。

ハルビン・カフェ (角川文庫)

ハルビン・カフェ (角川文庫)

書評:『ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装』

タイトルに偽りなしでした。

ディープラーニングの各要素技術についての理論を説明した後、Python + NumPy (行列計算等に利用)+ Matplotlib(結果の可視化に利用)を用いて実際に実装してみる、ということを繰り返して、手書き文字(数字)認識の精度を高めていきます。

理論の説明については、手法(How)だけでなくなぜその手法が良いのか(Why)にも触れていて納得感があります。

5章の「誤差逆伝播法」くらいからは少し難しく感じましたが、それでも何とか追うことができました。本書の大きさと厚さが威圧的でないのも最後までやってみるモチベーションを維持する上で助かりました。

実際に今後ディープラーニングの独自実装や研究をするつもりは毛頭ないのですが、ディープラーニングを使って何かする、というのは面白そうだと思っています。その点において、ディープラーニング界隈で使われている用語について具体的なイメージができるようになってスッキリしました。

小説感想:『犯罪』

2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位の短編集。

犯罪事件の物理的な謎の解明ではなく、罪を犯すに至るまでの犯罪者の心理描写に重きが置かれている。

飛び抜けてこれが良い、と言う短編は特になかったが、一貫として淡々とした文体で全体を通して読みやすかった。

犯罪 (創元推理文庫)

犯罪 (創元推理文庫)