プレゼン Tips 集:『新エバンジェリスト養成講座』
サブタイトル(Tips for Presentation)を見ずに、マイクロソフトの人が書いた、とだけ知っていて「ユーザーに自社製品のエバンジェリストになってもらうためにどういう製品・サービスを作るかの話かな」と思っていたら全然違いました(笑)。
せっかくなので読んだところ、口語体で読みやすく(若干胡散臭さが出てしまってる気がしますが)、なるほど、と思った内容もありました。
プレゼンをする機会ってそういえば自分はこのところ全くないのですが、いつかその時が来たら思い出してみたいところです。
- プレゼンの目標は相手を動かすこと。相手に情報が伝わるだけじゃだめ。
- 相手目線の体験を伝える。「容量 550ml の化粧品」ではなく「N回使える量の化粧品」など。
- 資料は視点誘導しやすく。プレゼン中の視点誘導は言葉で。
- 「これがあるとこんなに良い」というようなサクセスストーリーよりも「これがないとこんなに困る」というホラーストーリーの方が必要性を訴えやすい。
- 時間について言及するときは絶対時間(201X年)と相対時間(X年前)を織り混ぜるとイメージしやすい。
- 作者: 西脇資哲
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2015/10/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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全ては喜びのために:『ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント』
方法論としてはいわゆる「アジャイル」に属するもので、今では(実際に導入している企業の多さはさておき)それ自体は特に目新しいものではありませんが、その目的をただ「成果を出す」、「生産性を上げる」で止めずに「顧客や従業員の幸せのため」と位置づけていることが面白い着眼点だと思いました。
「誰もが意義のある仕事をしたいと思っている。だから成果を出すことは幸せに繋がる。」という図式のもと、そのためにアジャイル的な方法を用いて生産性を最大化する、ということです。改めて明文化されるとなるほど確かに、自分が成果に貢献できているという自信ほどモチベーションが上がることはなかなかありません。
基本的にはマネジメント層の人が整える仕組みの話なのであまり自分には関係がないのですが、成果を出すことは幸せにつながる、という意識を持って物事に取り組むことはどんな立場にいる人にも有用な心構えなのではと思いました。
- 作者: リチャード・シェリダン,原田騎郎,安井力,吉羽龍太郎,永瀬美穂,川口恭伸
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2016/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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WORLD ORDER:『国際秩序』
柔軟な多国間関係による自律的なパワーバランス調整と、他国の権力の正当性との折り合いの付け方(例えばイスラム教的な教義では最終的にはイスラムによる世界統一が目標になるため他国の存在そのものが正当ではないとされるが、そのような考え方と現実的にどう向き合うか)などが重要、ということはなんとなくわかったのですが、いかんせん地理・歴史に関する基礎的な知識の不足を感じ表面を滑るような読書になってしまったので、170ページ(全体の1/3強)ほど進んだところで読むのを断念しました。
秩序の構築と崩壊について歴史的背景を併せて地域ごとに説明されていて「きちんと理解したら面白そうだろうな」とは感じたのですが、これを消化するにはかなり時間がかかりそうなので、また余裕があるときに再チャレンジしたいです。
(あと、これは内容以前の問題ではあるのですが、難しい日本語(涵養、論難、奢侈、係累など)がちらほらと出現し、それもまた難点でした。原文もさぞ難しい単語が使用されているのでしょう。読者に求められる知識レベルの高さが伺えます。…自分のレベルが低いだけかもしれませんが。)
- 作者: ヘンリー・キッシンジャー,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/06/25
- メディア: 単行本
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「客観的」という幻想:『ナンバーセンス ビッグデータの嘘を見抜く「統計リテラシー」の身につけ方』
政府や企業が「(ビッグ)データによって客観的な事実が得られた」と言うとき、それを鵜呑みにしてはならない。同様の理由で「何とかランキング」にも注意すべきである。
データの収集、解釈、提示、どのステップにも誰かの意図が混入する。ここでの「客観的」という言葉はせいぜい「誰がやっても同じ結果がでるように算出方法が決まっている」程度の意味しかない。その算出方法を決めるのも、算出方法を適用するデータの集め方を決めるのも、誰かなのである。
また、集計結果が何らかの事実を示唆しているように見えても、データ自体が示すのは相関関係であり因果関係ではない。そして往々にして物事の本質を理解するのに重要なのは因果関係である。
データが増えれば増えるほど、そのデータを利用する方法は増える。そしてその利用方法は正しく有意義とは限らない。悪意を持ってすれば、嘘をつくことなしに、自分の主張を裏付けるようにデータを集め、解釈することだってできる。
統計を疑う感覚、示されたデータの裏を読む感覚を磨いておくことが重要である。
ナンバーセンス ビッグデータの嘘を見抜く「統計リテラシー」の身につけ方
- 作者: カイザー・ファング
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2015/01/29
- メディア: Kindle版
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例として挙げられていたグルーポンって懐かしいなぁ、と思いました。アメリカベースの例なので少しピンとこないものもありましたが、全体として読みやすく面白かったです。
小説感想:『百年の孤独』
なんと言えばいいのか…。
正直なところ、面白くはなかったです。つまらなかったかというとそれも何か違う感想な気はするのですが、シンプルにストーリーを楽しめたということはなく、独特の雰囲気を感じることができた、という印象です。
村上春樹を読んで「つまらなくはなかったけど意味はわからん…」と感じたのと似ているのかなと思います。文学作品の有識者に聞かれたら怒られそうな雑な感想ですが、まぁ自分の感受性はそんなものということで。
劇的な何かがある訳ではなく、淡々と、しかし決して正常ではないエピソードが幾つも積み重ねられる形で、ある町と一族の100年の歴史が語られます。
多少の栄枯盛衰はあるものの、それは単に時代の流れであり、登場人物の勝利や敗北ではないため、ストーリーとしての盛り上がりはありません。世代交代の中で繰り返されたり繰り返されなかったりする何かを、遠くから眺めているような、そんな感じでした。
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,鼓直
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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